症状別 切り分け点検票

送ったはずのメールが、届いていない。
その原因を、自分で突き止める。

症状別
切り分け点検票

?

Copyright arara inc. All Rights Reserved.

「届かない」を5つの症状に分けて、
原因の候補を絞り込む点検票です

こんな方に

「送ったはずのメールが届いていない」と気づいた、メール配信の担当の方。専門用語は巻末の用語集で解説しているので、あわせて読めば進められます。

どんなものか

「届かない」を5つの症状に分け、症状ごとに確かめる項目を、原因として多い順に並べました。項目ごとに、確かめ方と直し方を書いています。

できること

自分の症状のページを上から確かめるだけで、原因の見当がつきます。原因がわかれば、自分で直せるか、社内の情報システム部門やメール一斉配信サービスに相談すべきかも判断できます。

使い方

  1. 1

    症状A〜Eから、今の状況にいちばん近いものを1つ選びます。押すと、その症状のページに移動します。

  2. 2

    その症状のページには、メールが届くための「正しい状態」が並んでいます。上から順に、自分の状況がそうなっているかを確かめ、「できている」か「できていない」に印を付けます。

  3. 3

    「できていない」に印が付いたら、すぐ下の「できていないときは」を読みます。直し方と、誰に頼めばよいかを書いています。

  4. 4

    下線の付いた言葉は、押すと巻末の用語集に移動します。

「できていない」になった項目が、原因の候補です

症状 A

誰にも届かない

  1. 正しい状態SPFの設定が、1つのドメインに1つだけある

    できているできていない

    確かめ方「SPF チェック」で検索して出てくる無料の診断サイトに自社のドメインを入れ、v=spf1 で始まる行がいくつあるか見ます。

    できていないときは2つ以上あるときは、1つにまとめます。2つ以上あると、認証そのものが無効になります。1つもないときは、メール一斉配信サービスの案内にある設定値を追加します。
    頼む相手:社内の情報システム部門、またはドメインを管理している会社
  2. 正しい状態認証の設定を変えてから、48時間以上たっている

    できているできていない

    確かめ方設定を変えた日時を、作業した担当者に聞きます。

    できていないときは48時間たってから、もう一度テストメールを送って確かめます。DNSの変更が行き渡るまで最大48時間かかり、その間は届かないことがあります。
    頼む相手:自分で
  3. 正しい状態送信元のドメインとIPアドレスをブロックリストで調べると、「掲載なし」と出る

    できているできていない

    確かめ方MXToolbox の「Blacklist Check」などの検索サイトに、ドメインとIPアドレスを入れます。

    できていないときはメール一斉配信サービスから送っている場合は、そのサービスの会社に解除を頼みます。自社のサーバーから送っている場合は、掲載されていたリストのサイトの手順に沿って、情報システム部門が解除を申請します。あわせて、急に配信数を増やしていないか、宛先のないアドレスに送り続けていないかを見直します。
    頼む相手:メール一斉配信サービスの会社、または社内の情報システム部門
  4. 正しい状態送信元アドレスのドメインが、メールを受け取れる状態になっている

    できているできていない

    確かめ方別のアドレスから、送信元アドレス宛てにメールを送り、届くか確かめます。

    できていないときはドメインの契約切れや、MXレコードの設定の誤りが考えられます。ドメインとMXレコードの状態を調べてもらいます。
    頼む相手:社内の情報システム部門、またはドメインを管理している会社
  5. 正しい状態メール一斉配信サービスの送信ログで、送信結果が「成功」になっている

    できているできていない

    確かめ方メール一斉配信サービスの管理画面で、配信結果の画面を開きます。成功は「250」のように2から始まる数字で表示されることが多いです。

    できていないときは5から始まるエラーコードが並んでいたら、その横に理由が書かれています。症状E(エラーで返ってくる)のページもあわせて見てください。理由が読めないときは、ログの画面を添えて問い合わせます。
    頼む相手:メール一斉配信サービスの会社
症状 B

特定の会社だけ届かない

  1. 正しい状態DMARCの判定が「PASS」になっている

    できているできていない

    確かめ方Gmail宛てにテストメールを送り、「メッセージのソースを表示」を開きます。「DMARC」の欄に「PASS」と出ていれば、できています。

    できていないときは差出人のドメインと、メール一斉配信サービスが使う送信ドメインが揃っていません。メール一斉配信サービスの管理画面で、自社のドメインでSPF・DKIMを通す設定をします。すぐ直せないときは、DMARCの設定を一時的に「p=none」に戻してもらいます。
    頼む相手:メール一斉配信サービスの会社、社内の情報システム部門
  2. 正しい状態届かない送り先の会社で、メールの管理者に、自社からのメールがどう扱われたかを調べてもらえている

    できているできていない

    確かめ方送り先の会社でメールを受け取る予定だった人(宛先の人)に、社内のメール管理者へ調査を頼んでもらったか、結果が出ているかを聞きます。

    できていないときは宛先の人に、送信日時・送信元アドレス・件名を伝えます。そのうえで、その会社のメール管理者にメールゲートウェイの記録を調べてもらうよう頼みます。受信側で止まっているかどうかは、送り先の会社のメール管理者にしか確認できません。
    頼む相手:送り先の会社の、宛先の人
  3. 正しい状態その会社宛ての過去の配信で、バウンスや迷惑メール報告の数が普段と同じくらい

    できているできていない

    確かめ方メール一斉配信サービスの管理画面で、宛先のドメインごとの配信結果を見ます。

    できていないときはその会社宛ての配信をいったん止め、送り先のリストを見直します。退職した人など、古いアドレスが残っていることが多いです。
    頼む相手:自分で
  4. 正しい状態送り先の会社の受信許可リストに、自社の送信元ドメインが登録されている

    できているできていない

    確かめ方宛先の人に、社内のメール管理者へ確認してもらいます。

    できていないときは宛先の人を通じて、その会社のメール管理者に登録を頼みます。頼むときは、送信元アドレス・送信元ドメイン・利用しているメール一斉配信サービスの名前を伝えます。
    頼む相手:送り先の会社の、宛先の人
症状 C

携帯のアドレスだけ届かない

  1. 正しい状態SPFとDKIMの判定が、どちらも「PASS」になっている

    できているできていない

    確かめ方Gmail宛てにテストメールを送り、「メッセージのソースを表示」を開きます。「SPF」と「DKIM」の欄が両方とも「PASS」なら、できています。

    できていないときは「FAIL」や「NONE」と出ているほうを設定します。メール一斉配信サービスの案内にある設定値を、DNSに登録してもらいます。携帯各社は、認証が通らないメールをなりすましとみなして受け取りません。
    頼む相手:社内の情報システム部門、またはドメインを管理している会社
  2. 正しい状態受信者の携帯が、パソコンからのメールを受け取る設定になっている

    できているできていない

    確かめ方受信者に、携帯会社の迷惑メール設定を見てもらいます。

    できていないときは受信者に、送信元のアドレスかドメインを「受信リスト」に登録してもらいます。登録の手順は、携帯各社のサイトに載っています。
    頼む相手:受信者本人
  3. 正しい状態受信者の携帯が、URLの入ったメールを受け取る設定になっている

    できているできていない

    確かめ方URLを入れたメールと入れないメールを送り分け、届き方を比べます。

    できていないときは受信者に、送信元のアドレスを「受信リスト」に登録してもらいます。URLを入れたメールだけ届かない場合は、この設定が原因です。
    頼む相手:受信者本人
  4. 正しい状態1通のサイズが、携帯で受け取れる大きさに収まっている

    できているできていない

    確かめ方画像を外した同じ内容のメールを送り、届くかどうかを比べます。

    できていないときは画像の数と大きさを減らします。資料はメールに添付せず、ダウンロードできるURLを本文に載せます。
    頼む相手:自分で
  5. 正しい状態受信者の携帯が、HTMLメールを受け取る設定になっている

    できているできていない

    確かめ方テキストだけのメールを送り、そちらは届くかどうかを比べます。

    できていないときはメール一斉配信サービスで、HTMLとテキストの両方を入れて送る設定(マルチパート)にします。HTMLを受け取れない端末には、テキストのほうが表示されます。
    頼む相手:自分で
症状 D

迷惑メールに入る

  1. 正しい状態件名と本文が、迷惑メールと判定されやすい言葉や記号を避けて書かれている

    できているできていない

    確かめ方件名と本文を読み返し、読み手をあおる言葉や、記号を重ねた書き方を探します。見つかったら、できていません。

    できていないときは次のような表現を外し、伝えたい内容をそのまま書きます。
    • 得を強調する言葉:「無料」「タダ」「儲かる」「稼げる」「今だけ割引」
    • 急がせる言葉:「今すぐ」「至急」「本日限り」「残りわずか」
    • 大げさな言葉:「絶対」「100%」「驚きの」「衝撃の」
    • 当選や特典をうたう言葉:「当選」「おめでとうございます」「プレゼント」
    • 記号の重ね書き:「!!」「??」「★★★」、【重要】【緊急】の多用
    どれも1つあるだけで迷惑メールになるわけではありません。件名にいくつも重ねると、判定されやすくなります。
    頼む相手:自分で
  2. 正しい状態画像を表示しなくても、本文の文字だけで内容が伝わる

    できているできていない

    確かめ方画像を表示しない設定でメールを開き、文字だけを読んで内容が伝わるか確かめます。

    できていないときは画像の中にだけ書いてある見出し・日付・申し込み方法などを、本文にも文字で書きます。画像ばかりで文字の少ないメールは、迷惑メールと判定されやすくなります。
    頼む相手:自分で
  3. 正しい状態本文のリンクが、送信元と同じドメインか、内容に合ったサイトのURLになっている

    できているできていない

    確かめ方リンクにマウスを乗せ、表示されるURLを見ます。

    できていないときは短縮URLをやめ、元のURLをそのまま載せます。
    頼む相手:自分で
  4. 正しい状態迷惑メール報告の割合が、0.3%未満に収まっている

    できているできていない

    確かめ方メール一斉配信サービスの管理画面か、Googleの「Postmaster Tools」で見ます。

    できていないときはしばらく反応のない宛先への配信を止め、配信に同意した相手だけに送ります。配信を止める手順も、わかりやすい場所に置きます。
    頼む相手:自分で
  5. 正しい状態配信を止めるリンクが本文にあり、押すとすぐ止められる

    できているできていない

    確かめ方自分宛てに送り、リンクを押して配信が止まるか試します。

    できていないときは本文の最後に配信停止のリンクを入れます。メール一斉配信サービスで「ワンクリック配信停止」の設定も有効にします。Gmailなどは、大量に配信する送信者にこの設定を求めています。
    頼む相手:自分で(設定が見つからないときは、メール一斉配信サービスの会社)
症状 E

エラーで返ってくる

  1. 正しい状態返ってきたエラーコードの、最初の数字が5か4かわかっている

    できているできていない

    確かめ方返ってきたメールか送信ログで、「550」「421」のような3桁の数字を探します。

    わかったら
    • 5で始まる:その宛先には、この先も届きません。次の2番へ進みます
    • 4で始まる:今は届かないだけです。次の3番へ進みます
  2. 正しい状態5で始まるエラーが返ったアドレスを、次の配信リストから外している

    できているできていない

    確かめ方次回の配信リストに、そのアドレスが残っているか検索します。

    できていないときはリストから外します。届かないアドレスに送り続けると、ほかの宛先にも届きにくくなります。
    頼む相手:自分で
  3. 正しい状態4で始まるエラーが続く宛先には、送る量を減らして間をあけている

    できているできていない

    確かめ方同じ宛先のドメインに、一度にどれだけ送っているかを配信結果で見ます。

    できていないときは一度に送る数を減らし、時間を分けて送ります。数日たっても続くときは相談します。
    頼む相手:メール一斉配信サービスの会社
  4. 正しい状態エラーのメールに書かれた理由を読み、次にやることを決めている

    できているできていない

    確かめ方返ってきたメールの本文から、英語で書かれた理由を探します。

    理由ごとの対応
    • User unknown(アドレスが存在しない):リストから外します
    • Mailbox full(受信箱がいっぱい):日をおいて送り直します
    • Blocked / Rejected(拒否された):症状B(特定の会社だけ届かない)のページを見ます

メール用語集

本文で下線の付いた言葉を、ここで説明しています

SPF
「このサーバーから送るメールは、うちの会社のものです」と宣言する設定。DNSに書き込みます。受信側はこれを見て、なりすましかどうかを判断します。
DKIM
送るメールに電子署名を付ける仕組み。途中で書き換えられていないこと、本当にその会社から出たことを、受信側が確かめられます。
DMARC
SPFとDKIMの確認に失敗したメールを、受信側でどう扱ってほしいかを宣言する設定。「p=none(何もしない)」「p=quarantine(迷惑メールへ)」「p=reject(受け取らない)」の3段階があります。
DNS
ドメインに関する情報を登録しておく、インターネット上の台帳。SPF・DKIM・DMARCなどの設定もここに書き込みます。社内の情報システム部門か、ドメインを管理している会社が設定を変えられます。
ドメインを管理している会社
自社のドメイン(example.co.jp など)を契約している会社。ドメインの登録サービスや、レンタルサーバーの会社がこれにあたります。DNSの設定画面を持っています。
メール一斉配信サービス
たくさんの宛先に、まとめてメールを送るためのサービス(アララ メッセージなど)。配信の結果やエラーは、このサービスの管理画面で確かめます。
MXレコード
「このドメイン宛てのメールは、このサーバーで受け取ります」という、DNSに書く設定。これがないドメインは、メールを受け取れません。
IPアドレス
インターネット上の、サーバーの住所にあたる番号。メールは、送信したサーバーのIPアドレスでも評価されます。
ブロックリスト
迷惑メールを送っているとみなされたドメインやIPアドレスの一覧。受信側はこれを参考に、メールを受け取るかどうかを決めます。
送信ログ
メール一斉配信サービスが記録している、1通ごとの送信結果。成功したか、どんなエラーが返ったかがわかります。
エラーコード
送信結果を表す3桁の数字。2で始まれば成功、4で始まれば一時的な失敗、5で始まれば恒久的な失敗です。
バウンス
届かずに返ってきたメールのこと。アドレスが存在しない、受信箱がいっぱい、などの理由で起こります。
迷惑メール報告
受信者が「迷惑メール」ボタンを押すこと。割合が高いと、そのあとのメールが届きにくくなります。目安は0.3%未満です。
メールゲートウェイ
会社に届くメールを、社内に入れる前に検査する仕組み。ここで止められたメールは、受信箱にも迷惑メールフォルダにも入りません。
受信許可リスト
「このアドレスやドメインからのメールは受け取る」と、受信側で登録しておく一覧。ホワイトリストとも呼ばれます。
マルチパート
1通のメールに、HTML版とテキスト版の両方を入れて送る形式。受信側の端末が、表示できるほうを選んで表示します。
短縮URL
長いURLを短く置き換えたもの(bit.ly など)。本当のリンク先が見えないため、迷惑メールの判定で不利になります。
ワンクリック配信停止
メールソフトの画面に出る「配信停止」ボタンから、1回押すだけで配信を止められる仕組み。技術的には List-Unsubscribe という設定です。
Postmaster Tools
Googleが無料で提供している、Gmail宛ての配信状況を確かめるツール。迷惑メール報告の割合や、送信元の評価を見られます。